レタッチと銀塩とiPhotoと

ちなみに上の画像のような効果はレタッチでも作り出せるわけですが、意外とレタッチで意図した通りのエフェクトをかけるのって難しいんですよね。色々なことができすぎて、遊んでいるうちに自分がどういう風に仕上げたかったのか忘れてしまうこともあります。選択肢は多ければいいってもんじゃありませんね。
銀塩フィルムに拘る方は、フィルムは撮れば撮るほどコストがかさむからこそ「一枚一枚を丁寧に撮ることができる」と仰る方が多いです。なるほどそれも理屈だとは思いますが、私はむしろ撮る枚数の少なさゆえに選択肢が狭まり、「良い写真のセレクト」という最も困難な作業が進めやすいという利点も大きいんじゃないかなあと思います。大事に撮った写真をゆっくりと眺めることができる。これって結構大事なことですよね。
話は飛びますが、だからこそ iPhoto なんですよ。あのソフトは他のどんな多機能ソフトよりも「写真を見る」ことを大事にしています。いわゆる写真やフィルムの外見を模したどうでもいい飾り付けはありませんが、1本の無限に連続するスリーブを流し見るような感覚は、本質的な部分で見やすさを追求していることの表れです。
本格的にレタッチしたいなら Photoshop に Drag&Drop すればいいだけのこと。その前に、どの写真を選ぶか、それが大切だと思うのです。そして、それを知っているのが iPhoto の開発者たちなのでしょう。