Bessa R3A 使ってみました(3)

昨日は撮影中にフィルム巻き上げを忘れなくなりました。カメラには趣味性と実用性の両側面がありまして、BESSA シリーズは極端に趣味性を重視した製品だったのですが、R3A/R2A あたりになってくるとかなり実用品の色合いが濃くなっています。実際、今の時点でこのサイズ、重量、そしてこのお値段で12mmや15mmの超広角が撮れるカメラは(デジタルを含めても) BESSA しか無いですし、近い将来にもまず出現しないでしょう。そういう意味では自動化の進んだ CONTAX G シリーズが途中で生産中止になったのは残念でした(新品では高価でしたが)。今、この世界をデジタルで撮ろうとすると、最低でもフルサイズの EOS 5D と高価で重い超広角レンズが必要です。持つだけで疲れちゃいますね。写真撮る元気なんて残りませんよ。それなら *ist D シリーズと12-24mmズームの組み合わせの方が(金銭的にも)現実的かもしれませんね。ちょっと広角側が足りないけれど(あ、オリンパスの 7-14mm があった、高いけど)。
それはともかく、レンズ1本とFinePix F10をポケットに入れ、BESSA R3Aを首から下げて歩き回っても余裕たっぷりなので、昨日のようにクルマが入れないところへ分け入るのも非常に楽です。広角側は銀塩でいいと割り切るなら、F10 の代わりにパナあたりの望遠コンパクトをペアにしてもいいかもしれません。
それと R3A の良いところをもうひとつ発見しました。完全等倍ファインダーというのはいわゆる素通しですよね。で、先日も言ったとおり、ファインダーを覗きながら両目を開けると画角に応じたフレームが空中に浮かびます。これはウイスキーのコマーシャルじゃないけれど、何も足さない、何も引かない、目で見た通りの空間を区切るフレームなわけですよ。つまり、ベテランが数多くの経験の元に身体感覚として備える「何mmならこのくらいの画角」という枠が、目に見える形で毎回提供されるわけです。ですから画角の感覚をすぐ身体が覚えてしまいます(私も50mmで写る範囲はカメラが無くても大体わかるようになりました)。これは他のカメラを使うときにも役にたちますよ。カメラを持たずにどういう絵になるのかが想像できてしまうのですから。

(↑)地面に落ちていたネコヤナギです(F10で撮影)